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生涯をかけて変化を起こす:教育で人々に力を届けるIsmatさんの歩み

生徒のプロジェクトから、世界へ広がる取り組みへ。Ismat Musafirさん(アフガニスタン出身、2019年卒業)は、アフガニスタンで学びの機会を広げるため、UWC ISAK Japan在学中にEducation for Everyoneを立ち上げました。その歩みは、教育の力、困難な状況を乗り越える力、目的意識に根ざしたリーダーシップを物語っています。

この記事の内容


UWC ISAKの生徒は、教室で学ぶだけではありません。現実の課題に取り組み、意味のある変化を生み出しています。Ismat Musafirさん(アフガニスタン出身、2019年卒業)は、その好例です。生徒主導の取り組みとしてEducation for Everyone(E4E)を立ち上げ、現在は非営利団体の運営に携わっています。その歩みには、困難な状況を乗り越える力、リーダーシップ、教育の力への強い信念が表れています。

E4Eと駐日アフガニスタン大使館(2018年10月)
E4Eによる最初の支援活動(2018年夏)

Education for Everyone:生涯をかけた取り組み

Ismatさんの教育への情熱は、自身の経験に深く根ざしています。戦争難民として育った彼は、アフガニスタンで質の高い教育を受けることを阻む壁を、身をもって知りました。その経験から、UWC ISAK在学中に、創造性・活動・奉仕(CAS)のプロジェクトとしてEducation for Everyone(E4E)を立ち上げました。生徒主導の小さな取り組みとして始まった活動は、いまでは教育の機会に恵まれない地域で教育格差の解消に取り組む、組織立ったムーブメントへと成長しています。

E4Eの初期の大きな成果のひとつが、Projects for Peaceの助成金を活用したAhangaran Secondary Schoolへの図書館の設立です。学ぶ場所が限られた地域で、この図書館はすぐに生徒や地域住民にとって欠かせない学びの場となりました。しかし、アフガニスタンの教育制度は大きく変わりました。タリバンが6年生より上の学年の女子教育を禁止したことを受け、E4Eは活動の方法を見直し、影響を受けた生徒たちにオンラインの学習教材を届ける取り組みを進めています。

「社会に変化をもたらすには時間がかかります。ときには何世代もかかります」とIsmatさんは振り返ります。「物事はいつも計画どおりに進むわけではありません。でも、大切なのは柔軟に適応することです」。自らの使命を貫きながら柔軟に対応し続ける姿勢に、E4Eが掲げる長期的なビジョンが表れています。それは、誰もが受けられる、持続可能な教育を実現することです。

2018年、E4EがAhangaran Secondary Schoolを初めて訪問
2021年、E4EはAhangaran Secondary Schoolの教室のひとつを図書館に改装しました。

UWC ISAKから世界の舞台へ

2019年の卒業後、Ismatさんは学業でも仕事でも目覚ましい歩みを重ねてきました。経営学とビジネス・マネジメントの学士課程を修了し、副専攻で起業家精神と教育を学んだのち、2024年にグローバル・ビジネスの修士号を取得しました。学業と並行して非営利の活動にも力を注ぎ、Vancouver Island Counselling Centre for Immigrants and Refugees(VICCIR)で活動しながら、アフガニスタンでEducation for Everyone(E4E)を率い続けています。

UWC ISAK Japanで過ごした日々を振り返り、Ismatさんは、リーダーシップの課題への挑戦、創造性・活動・奉仕(CAS)のプロジェクト、本校の多様なコミュニティが自身の物の見方を形づくったと語ります。こうした経験を通して、批判的に考え、異なる視点を受け入れ、自ら率先して行動する力を身につけました。これらの力は、いまも彼の仕事を支えています。


活動の幅を広げる

Ismatさんは、E4Eでの活動と並行して、VICCIRで実務経験を積んでいます。そこでは、非営利団体の経営、運営、組織開発に取り組んでいます。E4Eを非営利団体として正式に登録し、その影響をさらに広げようとしている彼にとって、これらは欠かせないスキルです。

彼の意欲は、教育の分野だけにとどまりません。2024年12月にグローバル・ビジネスの修士課程を修了したことで、海外を旅する機会を得て、さまざまな文化への理解を深めました。体力面でも自らに挑戦し、台湾とオーストリアでハーフマラソンを走り、台湾最高峰の玉山(Yushan、3,952m)にも登頂しました。

いまも生き続けるUWC ISAKでの学び

Ismatさんにとって、UWC ISAKで得た学びは、いまもリーダーシップや課題解決への向き合い方を形づくっています。「ポジティブな変化を生み出すきっかけをつくる人であること。それが、私がいつも大切にしている最も重要な価値観です」と彼は語ります。

Ismatさんは、これまで支えてくれたメンター、先生、仲間たちへの深い感謝を持ち続けています。「Linさん、ご支援者の皆さん、現在と以前のすべての先生方、スタッフの皆さん、ルームメイト、メンター、クラスメイト。一人ひとりが、私の人生に消えることのない影響を与えてくれました。皆さんの導きと励まし、そして私の可能性を信じてくれたことが、目標に向かって進む自信になりました。皆さんの支えにはいつまでも感謝していますし、教わったことは、何をするときにも胸に刻んでいます。」

これからの展望

Ismatさんは今後、博士号の取得を目指すとともに、Education for Everyoneの活動をさらに広げたいと考えています。特に力を注いでいるのは、さまざまな制約のある中でも、アフガニスタンの女子が教育を受け続けられるようにすることです。「これを実現するために、ご支援をいただけたらと願っています」と語る彼は、協力と働きかけが意味のある変化につながることに期待を寄せています。

UWC ISAKの在校生へのアドバイスは?「CASは、高校のプロジェクトだけで終わるものではありません。本当に意味のある、長く続くものにもなり得ます。大切なのは情熱です。心から打ち込めば、それは一生をかけて社会に影響を与え、充実感を味わえる道のりになります。」

Ismatさんの歩みは、教育とは知識を身につけるだけのものではないことを、力強く示しています。教育とは、その知識を活かして他者に力を与え、人々の人生を変えることでもあるのです。

Education for Everyoneの現在の取り組みについて詳しくは、Education for Everyoneのサイトをご覧いただくか、Googleで「Education for Everyone Afghanistan」と検索してください。

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