UWC ISAK Japanは開校10年目を迎えました。この節目に、これまでを振り返り、これからを見据え、感謝を伝えるとともに、ファウンダーの皆さまの信念を揺るぎなく守り続けることを誓いたいと思います。端的に言えば、私たちはこの信念を理解し、それに応えなければなりません。それは私たちの責務であり、幸いなことに、大きな喜びでもあります。
新しい学校は、さまざまな理由で次々と生まれています。豊かな時代に始まる学校もあれば、財政的に苦しい時期に始まる学校もあります。本校は、間違いなく後者です。2008年の世界的な経済危機がなければ、実際に開校した2014年より4〜5年早く開校していたかもしれません。この危機により、小林りんと谷家衛は、本校を実現するための別の資金源を探す中で、新しい手法を生み出す必要に迫られました。
そこで2人は、約3,000人の寄付者候補に声をかけ、アジアの高校教育に新しいビジョンを示すこの全寮制高校を立ち上げるための資金を、一人ひとりにお願いしました。驚くべきことに100人もの方が名乗りを上げ、それぞれ1,000万円を拠出して本校の始まりを支えてくださいました。100人のファウンダーを持つ学校が、世界にほかにあるでしょうか。なんと並外れた信念を示し、なんと大きな約束をしてくださったことでしょう。
ファウンダーの皆さまが本校を始めるために資金を出してくださったのは、次のミッションを信じてくださったからです。
UWC ISAKでは、互いに高め合い、未知の領域に挑み、今そして未来にポジティブな影響をもたらす「変革を起こす人」となることを目指します。
これを別の言葉で表したのが、本校のビジョンです。
One Life.
Realize Your Potential.
Be a Catalyst for Positive Change.
2017年、本校はUWC(United World Colleges)のムーブメントに加わりました。UWCの18校が共有するミッションは、本校のミッションに力強い新たな視点を加えてくれるものであり、それを掲げられることを光栄に思っています。
UWCは、教育を通じて、人々や国や文化を結び、平和と持続可能な未来に貢献します。
この2つのミッションをどう理解し、どう生きるかには、常に注意を払い続ける必要があります。世界は、最初のUWC校であるAtlantic Collegeが1962年にウェールズで創立された頃よりも複雑になり、変化も速くなりました。私たちは、分断が進み、脆さを増す世界に生きています。今日そして明日の世界に私たちが望み、必要としている変化を、大きな国際機関や政府機関だけがもたらしてくれると考えることは、もはやできません。必要なのは、社会に目を向けるイノベーターや起業家です。現状に疑問を投げかけ、心からの情熱を追い求める人。多様性を受け入れ、違いから学ぶ人。誰もが時に避けられず直面する困難な状況においても、行動を起こす人。そして、仲間が平和を築くこの実践に取り組むことをサポートする人です。
UWC ISAKの生徒は、リーダーシップや起業家としての力を活かし、大小さまざまなコミュニティを平和と持続可能性のもとに結ぶ準備を整えて卒業します。人類として直面している大きな課題も、ほかの生物や地球に私たちが与えている影響にかかわる課題も、UWC ISAKで培うリーダーシップと起業家としての力に、UWCの精神と深く結びついた価値観が合わさることで、解決できると私たちは希望を持っています。その中で、本校もささやかながら役割を果たしたいと考えています。一人ひとりの小さな取り組みが、確かな力になります。
これこそが、ファウンダーの皆さまが本校に、本校のミッションとビジョンに、そして私たちに託してくださった信念です。その信念に、私たちはどう応えているのか。どう応えるべきか。そして、どう応えなければならないのか。
少なくとも、次のように応えます。
- 本校のミッションとビジョンを、思慮深く、革新的な形で、深く体現する
- 日々の生活の中で、本校の価値観を理解し、実践する
- 行動や姿勢、リーダーシップにおいて模範となる
- ここで学んだことを、できるときに、さまざまな形で恩返しし、さらに次の人へと恩送りする
本校はまだ若い学校です。開校10年目の今こそ、そのことを心に留めておきましょう。
まだ若い学校だからこそ、私たちは皆、今もファウンダーなのです。それは、ここで暮らし、働き、学ぶ私たちだけでなく、すべての卒業生とそのご家族にも当てはまります。本校の文化は今も育ち続けており、その土台も今まさに築かれている途中です。私たち全員が、これからもこの歩みに貢献し続けなければなりません。
開校10年目を共に歩むなかで、この信念を守り、大切にし、次へとつないでいきましょう。
