UWC ISAK Japanの2チームが、NASA Space Apps Challenge Japanで大きな成果を挙げました。この地域大会で、1チームが1位、もう1チームが4位に入賞しました。世界的に権威あるこのハッカソンでは、参加者がNASAのオープン・データを使って、現実の課題に対する創造的な解決策を考えます。本校の2チームはいずれも、自分たちの興味や得意分野に合った課題を選びました。現在は、プロジェクトが世界大会に進めるかどうか、結果を待っています。

NASA International Space Apps Challengeは、世界最大のハッカソンです。世界中からイノベーターが集まり、NASAが無料で公開しているオープン・データを使って現実の課題に取り組みます。国境を越えた協働を通じてイノベーションを促すこの2日間のイベントでは、参加者がNASAとその提携宇宙機関(Space Agency Partners)のデータを活用し、地球と宇宙の両方に関わる課題に挑みます。
10月5日から6日にかけて、UWC ISAKのチームは埼玉県深谷市で開催された地域大会に出場しました。この大会は、世界各地で行われた数百に及ぶ現地イベントやオンライン・イベントのひとつです。参加者は、NASAの専門家(Subject Matter Experts:SMEs)が出題した20の多様な課題から、挑戦するテーマを選びました。課題の内容は、NASAのデータを芸術的に可視化するものから、複雑なソフトウェアを開発するものまでさまざまです。大会後、各プロジェクトは宇宙機関の専門家によって審査され、優秀な作品は10あるGlobal Awardsのいずれかの候補となります。

ISAK Asは「Symphony of the Stars」という課題に挑み、1位を獲得しました。この課題は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が捉えた息をのむような画像と、心に響く音楽を組み合わせたコラージュをつくるというものです。JWSTがもたらす発見の喜びや宇宙の神秘を、あらゆる世代の人に伝わる形で表現することが目標でした。
チームのプロジェクトは、宇宙写真と音楽の接点に着目し、JWSTの画像を含むNASAの画像からメロディーを生成するものです。色相、色、彩度といった画像の特徴をもとに楽曲をつくり、宇宙の美しさを音で体験できるようにしました。この斬新なアプローチによって、視覚に障がいのある人を含むより多くの人が宇宙の画像に触れられるようになり、JWSTの発見がもたらす驚きと感動も伝わります。
メンバーは、Ann(台湾/2026年卒業予定)、Nhan(ベトナム/2026年卒業予定)、Ridhanyaa(ノルウェー・インド/2026年卒業予定)の3名です。チームは芸術的なスキルと技術的なスキルの両方を活かし、宇宙画像の視覚的な要素を音符に対応させました。当初は単純な波形の音だけで作曲していましたが、その後、コード進行を取り入れ、音色をピアノに切り替えることで、感情的な深みを加えました。こうして、色相や明るさといった画像の特徴が音の高さやテンポなどの音楽的な要素に反映され、色と音楽が調和した作品が完成しました。出来上がったのは、JWSTの画像の美しさを映し出す、数学的な処理だけで生まれたピアノ曲です。

チーム・キャプテンのAnnは、「ハッカソンは、音楽とコンピューター・サイエンスという2つの興味を掘り下げながら、同じ情熱を持つ仲間と協力できる、素晴らしい経験であり機会でした。本当に楽しかったです!」と話しています。
このプロジェクトには、宇宙の画像をより多くの人に届け、障がいの有無にかかわらず誰もが、宇宙の壮大な光景を多感覚的な新しい方法で体験できるようにするという狙いもありました。色彩理論と音楽理論を組み合わせることで、ISAK Asは、画像と生成される音楽の一貫した関係を保ちながら、感情に訴える表現手段を生み出しました。

Asama Warriorsは「Imagine Our Connected Earth」という課題に挑み、4位に入賞しました。この課題は、地球のさまざまなシステムのつながりを示す、音と映像を使ったインタラクティブな作品をつくるというものです。参加者には、NASAの地球観測衛星のデータを使い、ひとつのシステムの変化がほかのシステムにどう影響するかを示すことが求められました。たとえば気候変動は、山火事の増加や煙による大気汚染、生態系の遷移への影響などにつながります。
これに応えて、Asama Warriorsは、深刻化する山火事の問題と、その気候変動とのつながりに焦点を当てたインタラクティブなプロジェクトを開発しました。チームは、発生中の山火事を追跡し、大気質指数(AQI)をリアルタイムで表示する2つのWebサイトを構築しました。山火事の検知データとAQIの測定値を組み合わせることで、山火事と大気質の関係をわかりやすくインタラクティブに示し、こうした災害が環境に与える影響をユーザーがより総合的に理解できるようにしました。

メンバーは、Arunabh(バングラデシュ/2026年卒業予定)、Tenzin(ネパール/2026年卒業予定)、Michael(アルメニア/2026年卒業予定)の3名です。Asama Warriorsは、NASAのENEOT APIとイェール大学の環境パフォーマンス指数(Environmental Performance Index)を活用し、世界各地の山火事データと大気質の指標を重ねて表示するツールを開発しました。Reactで構築したこのインタラクティブな地図では、リアルタイムのデータを見ながら、山火事が各地域の大気質にどれほど直接的な影響を与えているかを視覚的に確かめられます。このプロジェクトは、気候変動の影響を追跡し、それが世界にもたらす結果について人々の関心を高めるための実用的なツールです。
チームはこの経験を振り返り、「NASA Space Appsのハッカソンに参加するために向かった埼玉での時間は、濃密で創造的で、仲間と協力し合う経験でした。新しいアイデアに没頭し、無限の可能性を探り、貴重なフィードバックをもらいました。その間ずっと、刺激を与えてくれる地元のプロフェッショナルの方々ともつながることができました」と話しています。
Asama Warriorsは、地球のシステムがいかに密接につながっているかを示すことで、宇宙から得られるデータが差し迫った環境問題の解決に役立ち、気候変動に関する情報を人々にとってより身近なものにできることを示しました。
「2チームとも、厳しい大会を通じて並外れた粘り強さとやり抜く力を発揮しました」と、大会期間中ずっと生徒たちをサポートした教員のPinzon博士は話します。「締め切りが迫るプレッシャーや課題の複雑さにもかかわらず、生徒たちは常に前に進み続け、非常に高い熱意とチームワークを見せてくれました。最終的なプロジェクトは、技術的なアプローチが刺激的だっただけでなく、深い創造性と思慮深さも表れていました。特に際立っていたのは、共感がさりげなく組み込まれていたことです。現実の課題に向き合い、一般的なコンピューター・サイエンスの枠を超えていました」
10月29日、ISAK Asにさらにうれしい知らせが届きました。Global Nomineeに選ばれたのです。これにより、Global Finalistに選ばれる可能性にまた一歩近づきました。Global Finalistに選ばれると、NASA本部を訪問する機会が与えられます。チームは現在、今後の発表を心待ちにしています。
2チームとも、NASA Space Apps Challengeが促そうとしているイノベーションと協働を体現しました。努力と技術力、創造性によって、意義ある影響をもたらす可能性を秘めた優れたプロジェクトが生まれました。本校は2チームの成果を心から誇りに思うとともに、世界大会でさらに勝ち進めるかどうかを楽しみにしています。
今後の続報をお楽しみに。2チームとも、改めておめでとうございます!