文: Emilė (リトアニア出身 / Class of 2024).
絵: Hamid (アフガニスタン / Class of 2020)
人類の苦しみに終止符を打つことを目指す平和賞
2022年1月、UWCの取り組みが、Alfred Bjørlo氏によりノーベル平和賞にノミネートされました。世界で最も広く知られているこの平和賞は多くの場合、紛争の終結に向けた協議の調停人のように、人類の苦しみに終止符を打つことに貢献した個人に対して授与されます。
一方で稀なケースではあるものの、団体としても過去には受賞歴があり、例えばWFP国連世界食糧計画は2020年に、また赤十字国際委員会は1900年代に3度の受賞を果たしています。そのため当然ながら私たちも、1962年以来続くUWCの平和を推進する取り組みが評価されたことに、大きな喜びを感じています。
UWCの活動をノーベル平和賞に推薦した人物とは?
ノルウェーの国会議員であるAlfred Bjørlo氏は、世界各国の若い世代が出会い、共に生活し、共に学ぶ機会を提供することは、より良い世界を生み出すために極めて重要であるとの考え方を示しています。
“教育を通じて平和を実現し国を超えて人々を結ぶ、というUWCの基本理念は、ノーベル賞創設のきっかけともなったAlfred Nobel氏の精神とも完全に一致しており、とりわけ世界中の国や人々の間で紛争が増えているのを実感する今、私は、UWCがノーベル平和賞のすぐれた候補であると考えています”、とBjørlo氏は述べています。
私たちUWCの成り立ち
UWCは1950年代、ドイツ人教育者であったKurt Hahn氏により創立されました。イギリスで最初の学校が設立されてから、今では4大陸に18のカレッジをもつネットワークにまで広がりました。
毎年10,500人以上の生徒が、 UWCの加盟校に入学します。
各UWC校では、世界各地から文化・社会経済的に全く異なるバックグラウンドの生徒が集まります。生徒達は生活を共にし、お互いから学び合うことで、世界にポジティブな変革をもたらすための実践を積み重ねます。さらに、UWCでは150以上の国に存在する国内委員会によってさまざまなバックグラウンドを持つ生徒を選抜し、各UWC加盟校に派遣しています。 入学には他にもいくつかの方法があります。
今後について
ノーベル平和賞は毎年10月に受賞者が発表されます。2021年は、329の候補者の中から、 フィリピンとロシアでそれぞれ表現の自由を守るため尽力した、ジャーナリストのMaria Ressa氏とDmitry Muratov氏が受賞しました。