10周年記念

発起人代表 谷家衛のメッセージ

大学卒業以来20年以上、一貫して投資事業に携わってきた私が、なぜ今インターナショナルスクールを設立しようと考えたのか。それは、日本やアジアへの投資を通じてどんな事業も結局は誰がやるかに尽きるということを痛感させられ、「高い志(マインド)と能力」を持つ人、特にこれからの世界の政治経済や文化の牽引役として重大な役割を担う「アジア」の「人」を育てることが日本や世界にとって最も大切なことだという思いが、抑え難いほどに強くなってきたからに他なりません。

アジアには、「マインドと能力」を持っているけれども、経済的な事情から十分な教育が受けられない子ども達が数多くいます。そうした子ども達こそ、日本やより恵まれた環境にいる子ども達が忘れかけている逞しさやハングリー精神にあふれていて、機会さえ与えられればその力を如何なく発揮して新しい時代を担うリーダーへと成長していく宝物だと思います。

たとえば当財団のアドバイザーであるエアン・ショーさんは、少年期カンボジアの富裕な家庭に生まれたものの革命のために隠れ家での生活を強いられ、大変なご苦労をなさいました。命からがら亡命したパリで、チャリティー団体から衣類や食べ物等を受け取った時、もらったものの中で何より嬉しかったのは本だったそうです。その後、フランスの大学院で学び、現在マッキンゼージャパンの社長になられ、平均睡眠時間4時間の中、今でも1年に1度はカンボジアを訪れて職業訓練などの支援を続けておられます。

私たちは、軽井沢インターナショナルスクールにおいてエアンさんのようなアジアの子ども達をできるだけ多く育てていきたいと考えています。そのような子ども達に奨学金制度を通して日本に来てもらえば、豊かな環境の中で学べる喜びを感じながら自国あるいはアジアの発展への使命感を自覚して素晴らしい人生を創りあげていくと確信しています。そして、彼らが10代の多感な年頃を日本で学び、日本の子ども達はもとよりその家族の方々と接したり日本の文化に直接触れることで、日本を第二の故郷(ふるさと)のように思ってもらえればと考えています。彼らが自国に戻った後には、また大人になって様々な分野で成功した暁には、きっと日本との架け橋になってくれるでしょう。

一方、日本やより恵まれた環境から来た子ども達も、こうしたアジアの子ども達と子どもの頃から生活を共にすることで日本人だけの学校や普通のインターナショナルスクールでは決して味わえない多様性の中で刺激を受け、グローバルな視点を持ち世界で活躍できる人間に成長していけると思います。日本や世界のこれからの成長が益々アジア依存を高める中、子どもの頃からアジアの人々とのつながりを築いていくことは、次代を担う日本や世界の子ども達にとって大きな財産となるにちがいありません。

とはいえこの学校がうまくいくかどうかも結局は誰がやるかに尽きます。代表理事の小林りんと出会った時、彼女が歩んできた経歴とまさにその「高い志(マインド)と能力」に強く感銘を受け、色々話をして学校を一緒に創っていくことになりました。彼女であれば応援してくださる皆様と一緒に必ずやアジアを代表する素晴らしい学校を創り上げていけると確信しています。

日本的教育理念についての私案 – 日本語版
日本的教育理念についての私案 – 英語版


谷家 衛 (たにや まもる)

あすかホールディングス株式会社 代表取締役会長として活躍する傍ら、時代に必要とされる新たなニーズをかたちにすることをライフワークとしている。ソロモン・ブラザーズでは、アジア最年少のマネジングディレクターに就任しアジアの投資部門を統括。その後日本で先駆けの独立系オルタナティブ運用会社であるあすかアセットやマーキュリアやD4Vを立ち上げた。主な実績に、日本ではじめてのオンライン生命保険(ライフネット生命)の立ち上げや、いち早くヨガに注目してその普及に貢献したこと(スタジオヨギー)、日本初のロボアドバイザリーお金のデザインなどがある。二児の父親として、また実業家として、2005年頃から本学校の開校を着想する。1983年灘高校、1987年東大法学部卒。

もっと見る
検索
Close this search box.

Imagine… if there was an ISAK lower school!

Dear Friends of UWC ISAK,

UWC ISAK is celebrating its 10th anniversary! We are proud of where we’ve come from, and we are excited about the next decade.

At this important milestone, we are wondering – in pursuit of broadening our impact, could an ISAK Lower School be considered as one of the options and would it be feasible? A school that embraces ISAK values and vision for a better future?

As we embark on this journey, if you would like to participate in possible market research and receive updates, please subscribe to our mailing list.